資本投資と自己投資
近年はアベノミクス、NISAなどの登場により投資に消極的な日本人も投資に興味を持つようになりましたね。
ただ、まだまだアメリカやヨーロッパに比べると投資=ギャンブルという認識が強いですね。
先日紹介した投資大嫌いの母親。息子が投資をやっているなんて恥ずかしくて人様に話せない。親戚の方々に後ろ指を指されるなどなどもはやそれは拒絶反応と言っていいレベルのものでした。
そんな母が私に言うことと言えばこんなことです
- 本を読みなさい(本は自分の人生を豊かにしてくれる)
- 旅行に行きなさい(自分の持つ文化とは違う文化に触れることで人生を豊かにしてくれる)
とにかく色々なことに口出しされますが耳にタコができるほど聞かせれたのはこの二つです。共通するワードは人生を豊かにするです。
将来のために現在の資本(金銭や時間)を投じる。それまさに投資ですね。
俗に言う「自己投資」です。
この「自己投資」というワード。個人的にはここ10年でものすごく聞くようになりました。私の母に限らず資本投資はやらないし興味もないけど自己投資は積極的にやっている、やっていく。という人は多いと思います。
また株式投資に難色を示す人はいても自己投資に難色を示す人は少ないでしょう。
ただ私に言わせればどっちも同じ投資です。
なぜ同じ投資なのにこのような見解の相違が生まれたのか考えてみました。
まず、株やFXに代表される資本投資ですね。よく差別するなとか障害者の正しい理解をなんて言葉を聞きますが人間というものはよく知らないものは想像力を使うようにできています。その想像力の源になっているのは自身の経験と断片的な情報です。
- 投資で10万円を3年で3億にした
- リーマンショックで1夜にして5000万円の損失をだした。
- 株で失敗して離婚して多額の負債だけが残った。
といったような自分が見聞きした断片的な情報を頼りに想像力を働かせて投資とはどういうものかを自分で作り出すのです。
その結果、大きな利益を生み出す可能性もあるが大暴落してすべてを失うこともある。→どうなるかわからない→ハイリスクハイリターン→ギャンブル
という風になるわけですね。(差別や偏見もこのプロセスをたどることで生まれます)
一方自己投資のほうはというとやればやるだけいい、投資したぶんだけ自分に返ってくるなどポジティブな印象を持つ人のほうが多いと思いますが自己投資も立派な投資、そこにはリスクが伴います。
わかりやすい自己投資で言うと教育があげられますね。最も一般的な大学進学を私の例で考えてみましょう。
私は私立の文系大学に進学しました。大雑把に計算しますが入学金が50万円、1年の授業料が100万円とすると4年間でかかるお金は450万円になりますね。
これだけかと思うかもしれませんが忘れてはならないのは時間です。
もし大学に進学していなければ就職をしていたでしょうからお給料をもらっていたはずです。少なく見積もって年収200万円だったとしても4年間で800万円稼げていたことになります。
つまり、4年間の授業料と就職していた場合の逸失利益を合計すると私の大学進学は実に
1250万円相当の自己投資に値するわけです。
間違いなく私の人生において最大の投資でした。
大学に進学した人の果たしてどれだけの人が1250万円分の経験値を得られているでしょうか。
皆さんはどうですか?自己投資した分はちゃんと回収できていますか?
個人投資家の8割が損をしていると言われていますがおそらくこの大学進学という自己投資も損をした人が8割以上だと思います。
資本投資も自己投資も基本は同じです。
投資金額はいくらか。それに投資することで何を得られてどう活かせるのか。吟味を重ね計画を練って投資しないとどちらでも損をすることになります。
投資がうまい人は自己投資もうまいでしょうし、逆に私はうまく自己投資が出来ていると思う人は是非株式投資なども始めてみてください。
自己投資が本当にうまいのであれば株式投資も恐らくうまくいくと思いますし仮にだめだったとしても「株式投資をしてみた」という自己投資から「株式投資で失敗した」という経験を得、またさらにその経験を自己投資に活かせるからです。
自己投資に積極的なあなたが資本投資にも興味を持っていただけたなら幸いです。
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