低迷のNikonに復調の兆し~~継続して業績を伸ばせるか
ニコンの株価が復調してきました。ニコンは今年1月に2396円の高値を付けた後は株価は低迷を続けていましたが7月6日の1673円を底値にして復調の兆しを見せています。
カメラ業界はスマートフォンのカメラ機能の向上などにより、厳しい評価がつけられていますが復調の要因は何だったのでしょうか。また株価は今後も順調に推移していくのでしょうか。考察してみようと思います。
主力の一眼レフカメラで復調
ニコンと言えばカメラ!ですが半導体露光機という超精密な機械も作っています。最新機種は50億~60億ほどするこの機械で世界シェア1位の時もあったのですが近年は海外のメーカーに押されシェアを奪われていました。今回も売り上げの落ち込みが嫌気され株価は低迷していました。
そんなニコンの業績を押し上げたのは2017年に発売した一眼レフカメラD850でした。
D850は最上級の性能を備えつつ価格を抑えたことでヒットしました。アメリカの景気が回復していることも追い風になったようです。
今後を占うのはミラーレスカメラ
今カメラは基本的に下火だと言われています。その理由は言うまでもなくいい写真が誰でも簡単に取れるようになったことです。なんのこだわりもない人はスマホのカメラで十分ですし、インスタグラムなどの画像編集機能を使えばプロ並みの表現をすることも可能になりました。
そんな中唯一成長する可能性があると言われているのがミラーレスカメラです。ミラーレスカメラはスマホのカメラでは物足りなくなってきた人たちが手にするのに実にいいポジションを取っています。価格は一眼レフカメラより安価ですし性能もカメラを始めたばかりの人にはどこが劣っているのかわからないレベルで遜色がありません。
今や一眼レフは本当にこだわった写真を撮るプロか一眼レフそのものが好きな一部の愛好家にしか売れなくなってしまいました。
またミラーレスが一眼レフには勝てないという部分もかなり限定的になってきているのでミラーレスカメラを愛用するプロカメラマンも増えつつあります。
ニコンは一度ミラーレスで失敗している
ミラーレスが出始めのころは良い写真を撮るには一眼レフということで一眼レフの地位は確立されていました。しかしミラーレスカメラの性能が上がってきて技術的な差別化が難しくなってくるとニコンは高性能の画像センサーの搭載を一眼レフの上位モデルだけに限定し、ミラーレスカメラなどにはあえてランクの低い画像センサーを採用することで無理やりに差別化しました。
ニコンとしては主力の一眼レフを際立たせるためにどうしてもミラーレスが一眼レフ並みになることが許容できなかったのでしょう。
しかし、そんなことは関係のないソニーはミラーレスカメラに惜しみなく高性能な画像センサーを搭載、一眼レフカメラと遜色のないミラーレスカメラを世に送り出していきました。
当然一眼レフにこだわりのある層は一部ですのでいい写真を撮りたいと思う層は安価で高性能なソニーのミラーレスカメラに流れることになり採算が取れなくなったニコンは一度ミラーレスから撤退したという経緯があります。
新型ミラーレスで遅れを取り戻せるか
一眼レフはキヤノンとニコンでシェアを独占している形ですがミラーレスはキヤノンはもちろんソニー、オリンパス、パナソニックといくつもの企業での熾烈なシェア争いが繰り広げられています。
今回ニコンは前回の失敗を活かし、フルサイズと呼ばれる大型センサーを搭載したミラーレスを投入する予定。一度失望させてしまった顧客を取り戻せるかが勝負のカギになりそうです。
私はニコンの一眼レフカメラを愛用しています。形から入る人間なのでカメラはやっぱり一眼レフだろう!と思っていましたが最近ミラーレスに浮気しそうになっています。デジタルカメラが登場したときカメラはアナログじゃなきゃカメラじゃない!って人たちが大勢いたように一眼レフも骨董品になる時代も近いのかもしれません。