Amazon関連銘柄を探せ~~投資家達の連想ゲーム
成長著しいAmazon。アメリカではすでに電子商取引(EC)のシェアは5割近くまで達し、2018年の4~6月期の純利益は前年同期比の実に13倍で25億3400万ドル(2800億円)で四半期ベースの最高益を達成しました。
投資家達は儲かる企業に投資します。
しかしご覧のようにアマゾンの株価は去年の9月ごろと比較するとすでに倍になっており割高感は否めません。
そうなると投資家達は関連銘柄の物色を始めます。そして今日本でこのアマゾン関連銘柄の物色が白熱しているのです。
関連銘柄とは
株式投資の世界ではよく関連銘柄という言葉が使われます。
どういうものかというと対象の銘柄が利益を上げるとするとそれにつられて業績を伸ばすだろうと予想される銘柄のことです。
例えばソニーの株価が急上昇したとします。原因を探ってみるとプレイステーション4の売れ行きが好調であることが判明しました。ソニーの調子がいいわけですからソニーの株を買いたいわけですがすでにソニーの株価はとても高くなっています。ではプレイステーション4が売れることで恩恵を受ける企業はどこなのか。
まずプレイステーション4にソフトを供給している銘柄が物色されます。有名なことで言うとスクウェア・エニックスなどでしょうか。
しかしプレステ4が売れてスクエニと連想するのは簡単すぎましたね。実際このように誰もが簡単に連想できるような銘柄はすぐに上昇してしまっていて割安のうちに買うことはとても難しいのです。
プレステを売ってるソニーがだめ。関連するスクエニもだめ。じゃあ諦めるのか。現代の投資家達はそんなに軟弱ではありません。さらなる連想ゲームの始まりです。
ではアマゾンに戻ってちょっと考えてみましょう。アマゾンの業績が上がることによって恩恵を受ける企業はどこでしょうか。もしあなたの連想ゲームが市場の動きにマッチしたのならあなたには投資の才能があるかもしれません。
初級
配送業
アマゾンの好調が取り沙汰されると真っ先に買われたのは日本で同社の配送を請け負う大手物流会社でした。実際にヤマト運輸などでは配送の増加により人手不足が深刻化しニュースなどでも取り上げられました。
大手が人手不足に対応するためアマゾンの運賃の値上げなどで取引を縮小するとその恩恵は地方の運送業者に波及しました。
埼玉県に本拠を置く丸和運輸はこうした大手から流れてきた取引を取り込み成長。2014年の上場から株価は10倍になりました。
しかしこの辺りは誰もが想像しやすいところ。株価はアマゾンに連動するようにあがり割安のうちに買いを入れられた投資家は少なかったと思います。
中級
段ボールの製造会社
投資の経験がないのにも関わらずここまで発想の至った方は投資のセンスがあるかもしれませんね。
アマゾンの商品の発送時には多く段ボールが使用されます。そこに目を付けた投資家達によって王子HDやレンゴーと言った配送用の段ボールを手掛ける会社の株が買われました。また、それぞれ最高益を更新しています。
上級
データ通信事業
ここら辺まで連想が及べば投資の才能があると言っていいと思います。投資の本を何冊か買ってみましょう。
電線大手のフジクラが注目されました。電線だから全然関係ないように思えますがこの会社は2015年に光接続用製品を手掛けるアメリカの事業を買収し、大規模データセンターを持つネット関連企業に製品を提供しているとされ、アマゾンにも一定のシェアがあるだろうという推測から買われました。
他にも物流センターで使われる製品陳列用の大型ラックを開発する会社やAmazonフレッシュと連携を開始したクックパッドやミールキッドでAmazonフレッシュに参戦したオイシックス・ラ・大地なども関連銘柄として挙げられています。
まとめ
アマゾンの成長がここで頭打ちとは考えにくいです。恐らくまだまだ成長し続けるでしょう。成長し続けるということは株価も上がり続けるということで乗り遅れたと感じる投資家も数を増やすことになります。
そうなると連想ゲームはさらに広がり最終的には名前が似ているだとか本社の近くにあるだとか本来の会社とはなんら関係のない会社まで物色され始め、実際に株価を押し上げることがあります。
実際にあなたも連想ゲームをしてみましたか?もし的確に連想が出来た方は投資の本を2,3冊買って勉強してみてください。連想ゲームが的確なら株で利益を出すことはそんなに難しくないんです。基礎的なファンダメンタル分析とテクニカル分析が出来るようになるだけで立派な投資家になれます。
私はこの関連銘柄が発表されるたび人間の想像力は逞しいなと感心してしまいます。感心するということは私は想像力に乏しくトレンド銘柄を見つけ出すことに向いていないのでしょう。地道にファンダメンタルとテクニカル分析を駆使して頑張っていきたいと思います。