経済・お金のあれこれ

経済やお金に関するあれやこれや。今更人に聞けないあんなことやこんなこと。経済やお金についてよくわからない人に対してわかりやすく役に立つ情報を提供することを目指します。

【3003】ヒューリックを新規100株買い

さてさて、イギリスのEU離脱や米中の貿易戦争激化。イランや北朝鮮の核開発問題と混迷を深める世界情勢ですが皆さんの投資の状況はどうでしょうか?

不透明な要素があまりに多いので短期的な未来はとても読みにくくなっています。

 

ポジションを長く持っていると何かのショックやらサプライズにぶつかり、パニックになって売ってしまう。というのがこういった相場での初心者あるあるですのでこういう時こそ腰を据えることが大事です。

 

なぜ買うのか。どういう時に売るのか。株を購入する前にしっかりとルールを決め、相場のパニックに飲み込まれないようにしてください。損切りするのは買いの根拠が崩れた時のみです。

2019年6月19日の日経平均日足チャート

日経平均日足チャート

さて、現在の相場ですが長期の持ち合いが続いています。これだけ世界でてんやわんやだったのですからもっと大きく動いてもよさそうなものですが日本株底堅いというか人気がないというか…

 

世界情勢はまったく読めないので予想が難しいですがテクニカル的にはそろそろ上か下かに大きく振れそうな形になってきました。

 

どっちかわかんねーのかよ!という突っ込みがありあそうですがどっちに振れようとも戦略が変わるだけです。

 

下げるなら割安銘柄の物色。上げるなら利益の最大化を目指して利益確定ポイントの精査です。

どっちに振れても大丈夫なように腰を据えておきましょう。

 

今月の買い

www.hulic.co.jp

今回買ったのは【3003】ヒューリックです。都区内の駅近接ビルを中心に、オフィスビル、商業施設、ホテルや旅館、賃貸住宅など数多くの物件を所有しています。

3003ヒューリックの業績

3003ヒューリックの業績

このヒューリック。当期利益が右肩上がりなので注目してはいたのですが配当利回りが2%台と少し物足りなかったので買いの候補からは外していました。

しかし、今回は増配となり、配当利回りが私の基準としている3%台を突破。

PERもかなり割安になっています。

3003ヒューリックの日足チャート

3003 ヒューリック日足チャート

テクニカルで見ても株価は歴史的な割安水準にいます。とても最高純利益を更新している企業のチャートとは思えません。

3003 ヒューリックの直近の日足チャート

直近の日足チャート

直近の値動きを見て見ると底を打ったように見えます。うまくいけばこのまま上昇していってくれますし、安値を割るにしてもすでに歴史的な安値圏にあること、最近の業績、今後の業績も上振れが期待されていることを考えるとここからさらに暴落するというシナリオは考えにくいので”買い”と判断しました。

 

現在のポートフォリオ

現在のポートフォリオ

相変わらず一番期待していなかった6113 アマダHDが一番伸びています(笑)

また、3436 SUMCOは業績予想が下方修正されたので場合によっては損切りも検討します。

 

5月に出ていた結構な含み損も解消されほぼ平たい状況となりました。

現在の相場状況を考えるとよく耐えているほうだと思います。

しかし飽くまで長期投資なので含み益、含み損に一喜一憂することなく、どっしりと構えて相場と向き合います。

 


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子供の頃、ワイパーが大好きだった話

雨の日の運転で動くワイパー

 子供の頃、それも保育園に通っていた本当に小さいときの頃だが、私は車のワイパーが大好きだった。

 

家族で車でドライブすることはそもそもに好きであったが雨の日はことさらで外の景色になど目もくれず、ひたすらワイパーの動きを追ったものだ。

 

その中でも私の心を鷲掴みにしたのはバスのワイパーである。

バスのワイパー

なんとユニークな形、そして動きだろうか。

すっかりワイパーの動きに魅了されてしまった私は、家でよく箸をワイパーに見立てて遊んでいた。

子供用の私の箸は小さくて短い。そんなものを振り回してところで面白みは半減である。

お気に入りは祖父の使う光沢のある長く立派な箸である。

 

この箸は別格だった。普通の車のワイパーの動きを再現しても十分に楽しめるがバスの大型ワイパーの動きを再現するには持って来いなのである。

 

そんなこんなで外で遊べない雨の日などは祖父の箸を振り回して家中を走り回り、私はよく箸を折ったものだ。

 

私のお気に入りの祖父の長い箸は、祖父にとってもお気に入りだったらしく、折るたびに激怒した祖父にげんこつを食らったものだ。

今考えても立派な箸であった。恐らく3,4万円分くらいの箸は折ったと思う。

祖父にしてみれば経済的にも怒り心頭に発するのは当然である。

 

当時は孫に躊躇なくげんこつを喰らわす祖父を恨めしく思ったものだが、小学生に上がる前に死んでしまった祖父との少なく、貴重な思い出である。

 

さて、そんなワイパーであるが誕生したのが今より100年以上も昔、1903年である。

 

産業革命以降、技術関心は目まぐるしく、10年もすれば技術は陳腐化し、新たな技術が生まれるような中、100年以上も使われ続けるワイパー。発明者はさぞ儲けたことだろう。

 

車も例外ではなく、車の誕生から現代に至るまでにその形状や性能を大きく変えてきたがワイパーだけは100年以上たってもその形状と基本構造はほとんど変わっていない。

 

SF映画などで未来的な乗り物が登場してもデザインこそ斬新であるものの、ワイパーはワイパーである。

 

100年前の人が現代にタイムスリップしてきたならば浦島太郎状態になることは間違いないであろうが車に付いたワイパーを見てきっと安心することだろう。

 

ワイパーには何の興味も示さなくなってしまった私だが、雨の日、バスのワイパーが動いているを見ると今でも祖父を思い出す。

 

今週のお題「雨の日の楽しみ方」

 

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FXトレードが久しぶりに月単位のプラスになった

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1lotでの取引であることと30回程度の取引なので偶然の可能性が高いので何の自慢にもなりませんが月単位のプラスは本当に久々なので嬉しくなってしまいました。

 

もともと私はFXをはじめとする短期トレーダーとしてやっていたのですが連敗に続く連敗で心がポキッと折れ、現在は長期投資をメインに資産運用しています。

 

しかし短期投資も完全にやめたわけではなく、このように少額でちょこちょこトレードしていたわけです。

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これが5月の全取引履歴です。

 

なんというか安定して勝てました。どこかでどか~~っと勝つわけでもなく淡々と淡々と勝てたという印象です。

 

派手さはありませんがもしこんなトレードを続けていけたらFXでもやっていけるんじゃないかなぁなどと淡い期待も……

 

自分なりに勝因を分析すると「待てた」ということが大きいのではないかと思っています。

長期投資を始める前までは「なんとかFXで食べられるようにするんだ!」という強い意気込みで臨んでましたので自分の得意なチャートでなかったとしても無理にエントリーポイントを探してエントリーしたり、負けが込むとボラティリティの大きいポンド円で取り返そうと無茶なトレードをしたりと言った具合で……

 

今は短期投資で生計を立てるというのは半分諦めていますのでブログネタを探しつつ、書きつつ、チラチラとチャートを見ながら「お、良さそうだな」と感じた時だけエントリーしています。

 

そのため連日でトレードするときもあれば1週間トレードしなかったりと非常にぐうたらなトレードになってます。

 

FX初心者から上級者、幅広く選ばれているDMMFX

 

まぁ勝てればなんでもいいんですけどね…

 

月単位で黒字になったことは過去何度かあるのですが2か月連続で黒字になったことはありません。

まずは6月も黒字で終えられることを目指します。

 

更新がないときは……お察しください m(_ _)m

 

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超高齢社会、令和の社会保障をどう維持するか

高齢者の人口は2040年にピークを迎えます。その人口はおよそ4000万人で社会保障費は2018年のおよそ1.6倍、190兆円と試算されています。

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このままのスピードで少子高齢化が進めば2040年の日本は現役世代1.5人で1人の高齢者を支えなければならない状況になります。

 

この超高齢社会、令和を我々はどう乗り切っていけば良いのか。対策を考えていきたいと思います。

 

増税

誠に残念なことではありますが増税は絶対条件です。どうあがこうが現在の税収で社会保障を維持することは不可能だからです。

 

もし、本当に増税をしないで対策するのであれば社会保障の質を下げるしかありません。

 

つまり、お金がない人には医療を制限したり、すべての国民が有する健康で文化的な最低限度の生活を営む権利”最低”の基準を引き下げるなどです。

 

つまりは社会的弱者に厳しい社会にするということです。民主主義国家でこれを実現するのはとても現実的ではありません。

 

増税を反対する人の意見で

 

”景気に悪影響を及ぼす”

”先に防衛費を削減すべきだ”

”まだまだ無駄がある”

”退職年齢を引き上げたり、年金の受給開始年齢を引き上げることで対応できる”

 

などがありますがこれらと増税はまったく別に考えるべき問題です。

 

なぜならば景気に悪影響があろうが無駄がまだまだあろうが増税は必要だからです。

 

例えば日本の国家予算に80兆円の無駄遣いがあるとします。この場合は80兆円の無駄を削減し、そのお金を社会保障に充てればよいのでこの理屈は通ります。

 

しかし国家予算にどれだけの無駄があったとしても1兆円か2兆円もあれば大したものだと思います。今の社会保障をすべて税で賄うには消費税を26%まで引き上げる必要があるという試算もあるので1兆円、2兆円程度の無駄を削減したところで日本の社会保障を支えることは出来ないのです。

 

お金が足りない日本にとって無駄の削減も制度の見直しも大変大事なことですがそれをすれば増税が必要ない。などということは決してないということです。

技術革新

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これは対策と言うべきか期待と言うべきか…

 

増税が必要であるということはすでに述べましたが増税すれば解決するわけではないのもまた事実です。

 

上述したように今の社会保障をすべて税で賄おうとすれば消費税が26%必要ですし、社会保障費が1.6倍になる2040年には26%でも足りないでしょう。

 

さらには人手不足の問題があります。どんなに増税して予算が潤っても肝心の介護・医療を担う人間がいなければ日本の社会保障を維持することは出来ません。

 

そこで必要なのが技術革新になるのです。

 

例えばITやロボット技術が進化して1人のお医者さんで1日1000人の患者さんを診断できるようになれば医療費の削減にもなりますし人手不足も解消できます。

 

このように、今よりもより効率的、経済的な技術を生み出すことで人手不足などの問題も同時に解決していくことが必要不可欠になってきます。

 

まとめ

どうだったでしょうか。20年後の日本の未来はこれほどに深刻であり、増税反対などと悠長なことを言ってる場合ではないということが伝わっていれば幸いです。

 

お金が足りなければ時間もない。人もいない。

 

仕事がきついだとか生活に余裕がないなどと言ったぬるい話ではなく、お金がなくて必要な治療が受けられない最低限度の文化的な生活が営めないと言った発展途上国が抱えるような問題が日本で起きるかもしれないのです。

 


日本の医療と介護 歴史と構造、そして改革の方向性

 

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子ども・子育て支援法は保育現場に混乱をもたらす

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5月10日、幼児教育と保育を無償化するための改正法、子ども・子育て支援法は参議院本会議で賛成多数によって可決されました。

 

賛成に回った日本維新の会

無償化は、教育費の負担軽減が子供を持つ動機付けになるという証拠に基づくものだ。社会全体で子育て世帯を支援していくことこそが豊かな未来につながる。

と述べました。

 

しかしこれはSNSで言われている通り的外れと言わざるを得ないでしょう。

 

なぜなら今の日本ではそもそもに子供を保育施設に預けられないからです。

 

2018年10月のデータでは全国の待機児童の数は5万人弱

 

今回の法案成立により、今まで金銭的な理由で保育施設の利用を見送っていた保護者も利用を検討することからますます待機児童問題は深刻化することになります。

 

なんとも本末転倒な話です。

 

まずは希望者全員を入園させられるようにすること。それが出来るようになって初めて処遇改善となるのであって、施設利用料が安かろうが高かろうがそもそもに利用できないのであれば何の意味もありません。

保育施設と保育士の確保が最重要

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なぜ、待機児童がこれだけ存在するのか。その理由は実に単純です。保育施設と保育士の数が足りないからです。

 

これは保育現場に限ったことではありませんが人員不足というのは最悪の悪循環を生み出します。

 

保育士が不足しているということは一人当たりの保育士の負担が大きくなるということです。つまりは職場は劣悪な環境になりやすく、過労働になります。

 

するとそんな環境に耐えられず、辞めていく人が増え、さらに人手不足になり職場環境はさらに劣悪なものとなり、ますます過労働になっていくのです。

 

実際に、東京都世田谷区の民間が経営する保育所2か所で保育士の一斉退職が起き、閉園を余儀なくされました。

 

独立行政法人福祉医療機構の調べでも29.4%の保育所が人手不足で、うち8.5%の保育所が児童の受け入れを制限せざるを得ない状況だということです。

 

子ども・子育て支援法がとどめとなる可能性も

このような環境整備がまるで出来ていない状況の中、保育無償化を行えばどうなるでしょうか。

 

入園希望者はさらに増えることになり、保育現場はますます過酷な環境となります。そして過酷な職場環境と過労に耐えられず退職者がさらに増えるという悪循環が進み、日本の保育にこの法律がとどめを刺すという事態にもなりかねないのです。

順番は大事

  • 利用料が高すぎて保育施設を利用できない。
  • 施設や保育士の数が足りなくて保育施設を利用できない。

 

どちらも解決しなければならない重要な問題ですが解決の順序を誤ると逆に事態を悪化させたり、混乱を招いたりする場合があります。

 

政府には保育施設と保育士の確保を急いでもらいたいです。

 


保育園問題 - 待機児童、保育士不足、建設反対運動 (中公新書 2429)

 

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【8591】オリックスを100株買い増し

5月、そして令和最初の買い付けです。

 

それにしても最近の株式市場はさえませんね。

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令和になってから上昇は1回もなし。6営業日連続の下げとなりました。

 

本日は中国がアメリカの追加関税に対する報復処置としてアメリカの輸入品に最大25%の追加関税をかけることを発表したことにより、米中関係の悪化が深刻化するとの見方から617ドルの強烈な下げを記録しました。

 

その火の粉が日本にも降りかかり、一時400円を超える下げを見せ、21000円を割る事態となりました。

 

ここまで下げが続くと不安になってくる方もいると思うのですが日本の景気がどうこうというよりも米中の問題が飛び火しているにすぎず、長期の目線で見ればまだ心配するほどの事態ではないと考えています。

 

業績悪化に伴う下げの場合は損切りを考えなければなりませんが不安からくるパニック売りは中長期目線の投資家にとっては絶好の買いチャンス!

 

なんら関係がないのに下げている銘柄、好決算・好業績なのになぜか異様に安い銘柄。それらは市場全体に引っ張られて安くなっている銘柄です。このように市場全体が下げた時はそんな銘柄を探してみてください。掘り出し物が結構見つかります。

今月の買い

さて、タイトルネタバレではありますが今月はどの銘柄を買うか非常に悩みました。

 

上述したように最近は市場全体が下げているためウォッチリストに入っている銘柄も軒並み安い。

 

中でも2362 夢真ホールディングスは順調な増収増益で成長を続けているのにも関わらずここ数年での最安値を更新するのではといったような信じられない安値で推移しています。

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この度発表された四半期決算で純利益が減益だったわけですが通期で見ると増収増益。これは明らかに売られ過ぎです。

 

こんな銘柄がゴロゴロしているのでどの銘柄を買おうか散々悩んだ挙句、せっかくなので以前四季報で星5を付けたオリックスを買うことにしました。

 

www.keizai-arekore.com

 

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こちらも増収増益どころか最高益を更新し続ける絶好調な会社なのにもかかわらずとっても割安で放置されている美味しい会社です。

 

世界経済の状況次第ではさらに下げる可能性もまだまだありますが業績が伸びているうちは下げるたびに買い増しを入れるスタンスです。

 

配当利回りも4.69%と非常に高いのでバイアンドホールドには非常に適した銘柄です。

 

現在のポートフォリオ

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こちらが現在のポートフォリオ

1ヶ月前までは含み益が増えてきてそろそろどれか収穫しようかなどと考えていたのが嘘のようです。

 

しかしどの企業も基本的には増収増益。配当金もしっかり出ますし売る理由は見当たりません。

 

市場全体が大きく下げる中、掘り出し銘柄を物色して気長に収穫時期を待ちましょう。

 

来月は何を買おうかしら…….

 


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AIの力で新たな薬効を見つけ出せ~~ドラッグリポジショニング

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近年、医薬品開発の研究でドラッグリポジショニングと呼ばれる研究が盛んにおこなわれています。

 

ドラッグリポジショニングとはすでに存在する薬から新たな薬効を見つけ出し、別の病気の治療薬として転用することです。

 

創薬は一般的に、病気に効果のある化合物を探し出す基礎研究、そしてその化合物を実際に細胞や動物に投与し、効果や安全性を確かめる非臨床試験。最後に非臨床試験を通過した薬の候補が本当に人間に対して有効で尚且つ安全であるかを確かめる臨床試験を経て新たな薬が誕生します。

 

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そのため、新たな薬が生まれるまでには膨大な時間とお金を要することになりますが既存の薬を使うドラッグリポジショニングならすでにこれらの基礎研究や臨床試験をパスしたものなので開発までのお金と時間を大きく節約することが出来ることに加え、副作用も予測しやすいので新薬より安全性が高いです。

 高騰を続ける医薬品開発

今まで新薬の開発には9~17年という歳月と1社あたり621億円という研究開発費を必要としていましたが、近年は従来の化学合成ではなく、ホルモン、酵素、抗体などを使って作るバイオ新薬が登場したことにより研究の難しさが跳ね上がっています。

 

結果、2004年では1社あたり621億円だった研究開発費は2017年では1414億円と2倍以上になっています。

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バイオ新薬は高い効果が期待できるものの、単純な化学合成とは比較にならないほどの研究の難しさから、莫大な研究費を必要とするため高額になる傾向になるのです。

 

今年3月26日に日本で認可された血液がんの治療薬「キムリア」は投与した患者の8割に効果があり、特効薬との評価を受けていますが

1回の薬代が約5200万円と超高額です。

 

また、日本でもノーベル医学生理学賞を受賞した本庶佑氏が開発に関わったオプジーボなども発売当初は年間3500万ほどの医療費がかかるとされ、話題になりました。

 

これらの薬は偶然高額になってしまったわけではなく、バイオ新薬という新たなジャンルにおける研究開発の難しさを示すものであり、今後もこのような高額薬は後をたたないでしょう。

 

そのため、お金も時間も節約できるドラッグリポジショニングの研究が注目されているのです。

 

もうひとつ、ドラッグリポジショニングの研究が注目されている理由にAI技術の発達があります。

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ドラッグリポジショニングの研究自体はもっと昔から存在したのですが、人の手で行われるドラッグリポジショニングは臨床データを人がひとつひとつ症例・年齢・使用頻度と言った膨大なデータから隠れた有効作用を見つけ出すという言わば満員の東京ドームから特定の人物を探し出すような途方もなく大変で効率の悪い作業でした。

 

それがAI技術が発達したことによりこれら投薬に関するビッグデータを効率的に解析できるようになってきたのです。

 

例えば、本来人間では絶対に注目しないような相関性(特定の食物を定期的に摂取している人に高い効果が出るなど)も見つけ出せるようになりました。

 

もともと創薬の分野では基礎研究や非臨床試験などでは想定されていなかった効能が治験段階で初めて発見されると言ったような予想外の発見も多く、いかに人間だけでデータを適切に処理することが難しいかがわかります。

 まとめ

高騰を続ける医療費は恐らく止まることはないでしょう。そうすれば我々の税金だけですべての医療を支えることは出来なくなり、今のままでは必ず現在の医療保険制度は崩壊することになります。

 

AIが主導するドラッグリポジショニングはそんな高騰を続ける医薬品開発分野の救世主になるかもしれません。

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新薬の狩人たち 成功率0.1%の探求 (早川書房)