デフレってなに?物価が下がって何が悪いの?
欧米が次々に金融緩和縮小の動きを見せるなか、日本は未だに大規模な金融緩和が続けられています。
アメリカは慎重ではありましたが着実に利上げを続け、4月まで2か月続けて物価上昇率が2%に達したこと、トランプ大統領の大型減税の効果で景気が目に見えて回復しており、利上げも加速するのではと言われています。
欧州でもドイツでの賃金が上がり始めたのを始め景気減速に歯止めがかかったとのみ緩和の縮小を決めたようです。
この状況を簡潔に述べれば欧米はデフレを脱却しつつあるが、日本は未だデフレの状態にあるということになります
よく聞きますよね。デフレ
このデフレをよく理解するとなぜ日本が不況なのか、物価が上がって何が嬉しいのか、などいろいろな謎が解けるようになってきます。
今回はデフレについて述べようと思います。
そもそもデフレとは何か
巷で言うデフレというのはデフレーションの略です。簡単に言うとお金の価値が上がり物や人の価値が下がることをいいます。
お金の価値が上がって物の価値が下がったので今まで120万円で買えていた車が100万円で買える。
人の価値が下がったので今まで20万で雇えてた人が15万円で雇える。
このようなことが一定期間継続することをデフレーションと呼びます。
一見120万円のものが100万円で買えるようになるのでいいことのように思います。しかし物と同時に人の価値も下がり、お金の価値も上がってるので貰える給料も少なくなっています。
すべての人にとってマイナスになるわけではありませんが、経済全体で見るとマイナスだと言われています。
それがよくわかるのがデフレスパイラルと呼ばれるものです。
- 物の価値が下がる
- 売ってもあまりお金にならない、企業の収益が悪化
- 企業にお金がないのでボーナス、給料が減る
- 今までのようにお金を使えなくなる。
- 物を買わないようにする。
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これを繰り返してどんどん物価の価値が下がり給料が下がり続けるという負の連鎖をデフレスパイラルと呼びます。
こうしてみるとデフレがいいものではないということがよくわかりますね。
なぜデフレが起こるのか
デフレが起こる原因はいくつかありますがここでは代表的な二つを紹介したいと思います
物と人の価値が下がる
今まで人の手で行われていたものが機械の発達によって人から機械に置き換わり、生産性が著しく向上するとデフレの要因のひとつになります。物と人の価値が低下するからです。
例えばお菓子工場があったとしましょう。
お菓子を作って、それを仕分けし、袋詰めする。ここまでの工程にたくさんの人が関与していましたがこれらが機械でできるようになりました。これによって人間は機械を管理できる人がいればお菓子が生産できるようになります
つまり大量に生産できるので物の価値が下がるのと同時に人が不要になり失業者が増え、消費者が減ることで物が売れなくなる。というデフレが発生するわけですね。
お金の価値が上がる
お金の価値が上がっていることはなかなか体感しにくいです。お金の価値なんてなかなか意識しないですもんね。
先ほど例に出した120万円の車。100万円で買えるようになったということは車の価値が下がったからだと考える人がほとんどでしょうがお金の価値が上がったので100万円で買えるようになったという考え方も出来るのです。
最も意識しやすいのは贅沢品でしょうか。
大量生産されると物の価値が下がるのと同じでお金が大量にあるとお金の価値が下がります。あなたも財布が暖かい日はついつい物と交換してしまってませんか?
逆に光熱費、家賃、カードローン等支払いがかつかつで財布も寂しい時はどうでしょうか。ほしいものがあっても我慢できることが多いですよね。
これは物よりもお金のほうが大事。つまりお金の価値が上がっていることを意味します。
まとめ
つまり給料が減って物が買えなくなってそれで会社の業績が下がってまた給料が下がってという悪循環が続くと経済がどんどん痩せていってしまうわけです。これがデフレであり、国はこのデフレを何とか食い止めたいわけです。そしてそれを食い止めるためにやれベースアップだ、やれ金融緩和だとやってるわけなんですね。