経済・お金のあれこれ

経済やお金に関するあれやこれや。今更人に聞けないあんなことやこんなこと。経済やお金についてよくわからない人に対してわかりやすく役に立つ情報を提供することを目指します。

私たちにメリットしかない医療個人情報共有の整備を急げ

政府は治療や服薬の履歴、介護サービスの利用状況などの個人情報を全国の関係者が共有できる仕組みを作ります。

2020年までにシステムを完成させ、運用することを目標にしています。

医療、介護の個人情報を関係者が共有することで私たちにどんないいことがあるのでしょうか。考えていきます。

 

現行のシステムの問題点

現在、私たちの医療や介護のデータは各々の医療機関がそれぞれ保管しています。

 

例えば糖尿病を患うAさんがいるとします。Aさんは普段○○内科に通い血糖コントロールをしています。すると○○内科ではAさんのカルテを作成しAさんの病状を把握しているわけですがこの情報は○○内科にしかなく、ほかの病院は見ることが出来ません。

したがってAさんが別の病気で△△循環器科を受診したとき△△循環器科ではAさんの情報が一切ないので普段○○内科で行っている検査などを重複して行わなければならないのです。

これでは時間もお金も無駄ですので情報を共有し△△循環器科でも○○内科のカルテを見れるようにするわけです。そうすることで検査の重複をなくし、時間とお金の無駄をなくそうというわけです。

今現在も地域ごとに医療データを共有する仕組みがあるらしいのですが全く実感できません。

筆者はなかなかに貧弱で現在通院している病院が4か所あるのですが重複した内容の血液検査をよくやらされます。

 

基本的に我々には利点しかない

皆さんは経験したことがあるでしょうか。短期間に二つの病院を受診して2回同じ検査を実地されたことを。これが血液検査とかならまだしもレントゲンやCTとなってくると金銭的にも体にも負担です。

短期間にレントゲンやCTを何枚も取ることがあるのかという突っ込みがありそうですが私は1か月間にCTを3回取らされたことがあります。

ガンの再発監視など頻繁に体の変化を見なければならない時などは別ですが人の体なんてそんな急激に変化はしません。CTなんて健康な人であれば3年に1回、どんなに頻繁でも年に1回もとれば十分です。

あなたのカルテを医療機関全体で共有することが出来れば何かあって複数の医療機関を短期間で受診することがあっても検査は1回で済みますし、緊急な場合、つまり倒れて救急車で運ばれるようなことがあった時、あなたに意識がなかったならばお医者さんたちはありとあらゆる検査を行って病気を探り出さなければなりません。

しかし、例えばマイナンバーなどであなたの病状や服薬履歴を医療関係者が見ることが出来ればあなたの通院履歴や服薬履歴から病気をかなり絞り込むこともできますし検査しなくてすむこともあるでしょう。

また、宗教上の理由で拒否したい治療や臓器提供の意思の有無などもあなたが意識がなくとも確認することができるわけです。

また、データが統括出来れば糖尿病の人がどいういう人に多いかや、どういう薬を服用している人が回復傾向にあるかなどの統計的データを得られやすいということもあります。

唯一デメリットがあるとすればサイバー攻撃などでしょうか。カルテをオンラインで繋ぐわけですからサイバー攻撃を受けた際、我々の個人情報が盗まれる可能性があります。

しかし、私にはメリットからすると小さな小さなデメリットだと思います。私が糖尿病であること、どんな薬を服用しているかなどの情報が私と面識のない第三者が知りえてそれがなんなのだという話です。

 

金銭面でも大きいメリット

検査や投薬の重複など大したことないように思われるかもしれませんが日本人が1年間に医療機関を受診する回数は平均12.9回。人口が1億人と仮定しても12億9000万回医療機関を受診している計算になります。このうち1/10が重複検査を含む受診だとすると1億2900万回の検査料を節約できることになります。

実際に野村総合研究所は銃砲の共有が進めば5000億円近い医療費が節約できると試算しています。

ノルウェーやオランダなど欧米ではもう9割のデータが共有されています。(日本は3割程度)

日本でも普及を急いでほしいですね。


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