リラ急落が国民の生活を直撃
アメリカ人牧師を拘束したことからアメリカとの対立が激化しアメリカの経済制裁などで自国通貨のリラが急落したトルコですがその影響がさっそく国内に出始めています。
トルコの現状はどうなのか、この先どうなるのか、考えていきます。
物価は軒並み上昇
食料品から工業原材料までを輸入に頼るトルコでは通貨安の影響は他国より大きくなります。なぜなら通貨の価値が下がることで輸入コストが上がりその影響は輸入品すべてに及ぶからです。
街中ではこの数週間で物価が2~3割ほど上昇し消費者の買い控えが進んでいる模様です。
市内のアディダスのお店では725リラだったあるスポーツシューズが翌週には875リラ、そのさらに翌週には999リラとわずか2週で4割値上がりしました。
この急速な物価の上昇を逆手にとり「今のうちに買っておいたほうがお得ですよ」という駆け込み買いを誘導することで売り上げを伸ばしているお店もあるようですがここまで急激な物価上昇が起こると食料品の確保が最優先になります。消費者の買い控えが加速することは間違いないでしょう。
エルドアン大統領は対決姿勢を鮮明に
トルコのエルドアン大統領は8月25日の声明でトルコの通貨安はアメリカの経済戦争とみなし「トルコ経済への攻撃に立ち向かう」と述べ対決姿勢を鮮明にしました。
しかし対中国のアメリカの姿勢を見てわかる通り反発すれば追加の経済制裁があることは火を見るよりも明らかで勝つにしろ負けるにしろトルコ経済がさらに打撃を受けることは必至です。
そうなるとそれを嫌気した投資家達がさらにリラの売りに走り→リラの下落が加速、→物価がさらに上がるという悪循環を加速させることになります。
このまま物価上昇が加速度的に進めばハイパーインフレになりかねず、国民は生活必需品を確保することすら困難になります。そうなれば政府に対する反発が増すことになり場合によっては暴動にまで発展する危険性もあります。
トルコは極めて不利な状況にある
リラ急落の発端となったアメリカ人牧師拘束問題ですが世界はリラの動向には非常に興味を示していますがアメリカ人牧師拘束問題においてトルコを擁護する人は少ないです。またアメリカと激しい制裁合戦を繰り広げている中国と比べても輸入に頼るトルコの打撃は凄まじく、国民が耐えられそうにありません。
そうなると国外からアメリカの経済制裁、国内からは国民の反発、暴動と内と外からの圧力を受けることになるためトルコの強硬姿勢は長くは続かないでしょう。
しかしながらエルドアン大統領が今の強硬姿勢を改めない限りリラの通貨安は止まらないのでスワップ狙いの方は買い時を慎重に見極める必要があります。
何かと世界を騒がすトランプ大統領ですが「アメリカファースト」の観点から見ればその手腕は確かなもののように思います。手当たり次第に喧嘩を吹っかけているようにも見えますが北朝鮮問題では中国を巧みに動かし米朝交渉にまでこぎつけようとしています。
彼を見ているとやはり素晴らしい人と優秀な人は同じではないのだなと感じます。
「清廉潔白な無能の政治家」と「腹黒い優秀な政治家」あなたはどちらを支持しますか?