東南アジアで広がりを見せるスマホ診療を日本でも普及させよう!
スマホアプリを使って診療を予約し診察、薬の処方までを完結できるスマホ診療が東南アジアを中心に広がりを見せています。
原因がまだはっきりしない初診は別にしても定期的な通院や薬をもらうためにわざわざ病院を予約し長い待ち時間は本当に苦痛ですよね。
今回は日本でも普及してほしいスマホ診療を取り上げたいと思います。
スマホ診療とは
スマホ診療は通院することなくビデオ通話などを使って医師の診察を受けるサービスです。利用者はまず受診したい科を選び、医師の診察を受けます。料金も私立の病院よりも安いそうです。
診察、処方、支払いまで一歩も外に出ることなく行うことが出来、望めば処方された薬も郵送してもらえます。
アプリを提供する会社はまず医師と利用者に会員登録をしてもらい、診察依頼があれば医師に患者を斡旋し、患者が医師に支払う診察料の5~25%程度を報酬として受け取る仕組みでアプリを提供する会社が利用の拡大とともに急成長しています。
背景には深刻な医師不足
東南アジアで普及している背景には深刻な医師不足があげられます。東南アジアでは経済成長が進み、貧困から脱却する人が増えてきました。貧困に苦しむ人たちはまず食べることにすべてのお金を使ってしまうので基本的に医療を受けることが出来ません。
しかし食べるに困らないほどお金を稼げるようになってくると生活水準の底上げにお金が使われます。その一つが医療です。
中間層が増えたことで東南アジアでは医療のニーズが高まってきているのです。
しかしニーズが増えたからと言って医師の数がぼんと増えるわけではありません。ニーズが高まった分、医師不足になっています。
WHO(世界保健機関)の統計でインドネシアでは人口1000人あたりの医師の数は0.2人(日本は2.3人)で医師一人で約5000人の患者を受け持っている計算になります。
また医師も都市部に集中する傾向にあり過疎地域では医師不足はさらに深刻になります。スマホ医療ならば都会も田舎も、さらには渋滞や混雑も関係ありません。医師も利用者も効率的に診療を受ける、行うことが出来るのです。
日本でも普及させるべき
日本でも医師不足は深刻です。働き方改革が叫ばれる中、医師に関しては時間外労働の規制が先送りされました。
医師の時間外労働を規制してしまうと緊急時に対応できる医師がいなくなり、医療の質を落とす危険性があるからです。
事実上、過労を国が黙認したことになります。
スマホ診療の導入は医師の負担軽減にもなるわけです。
また、私たちにとってもメリットはたくさんありますね。冒頭で述べたように持病などの定期通院では5分程度の問診で後は薬をもらうだけと言ったこともよくあります。
そのために1時間も2時間も待たされるのは大変苦痛です。さらに会社に勤めていると平日に病院に行くことは難しく、体に異変を感じても放置してしまったり、我慢してしまったりすることも多いです。
スマホ診療が普及すれば会社にいながら医師の診察を受けることが出来ます。
こうしたことからスマホ診療の普及は予防医学の観点からも重要で国はこうした問題から病気の発見が遅れ、病気が重症化して働けなくなる人たちの逸失利益を考慮して政策を進めるべきです。
医療費の問題も忘れてはいけない
しかし日本には医療費の問題もあります。ただでさえ医療費が大きな負担となっているのに安易な受診を誘発するような制度を導入して良いのかどうか。逸失利益を出さないために導入した医療制度なのにその医療制度が逸失利益を上回ってしまったら本末転倒です。
「少し咳が出るから受診しておこう」「鼻水が出るから風邪薬を処方してもらおう」こういった軽症の受診に対しては医療サービスと割り切り、5割、6割負担にするなどの対策を取るのが望ましいと思います。
あとがき
スマホ医療は情報通信技術を用いた現代的なシステムです。なのになぜ先進国での導入が遅れ東南アジアなどの発展途上国で伸びているのか。それはすべての責任が国に向くからです。
問題が発生したときは根掘り葉掘り穿り返しここが悪かった、あそこをこうすべきだったと後付けの批判を国に浴びせるのです。
これを回避するために先進国の政治は保守的になるざるを得なくなり、100を救って1が犠牲になるシステムでも1の犠牲が出る以上は導入が出来ないという事態になるのです。
言うなれば100人を助けるために1人を殺すくらいなら1人を助けるために99人を見殺しにしたほうが良いというふざけたシステムが出来上がります。
政治を動かしているのは政治家ではなく国民であるということは我々は自覚しなければなりません。