経済・お金のあれこれ

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東証の最低売買単位が100株に統一

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東京証券取引所に上場するすべての企業の株の最低売買単位が100株に統一されました。

今までは株を購入する際、最低売買単位を100株とする企業と1000株とする企業の二つが存在したため株価が500円だとしても購入する最低金額が5万円なのか50万なのかわかりにくい状況でした。

また、最低売買単位が下がることで株を購入するのに必要な金額も下がるため、資金の少ない個人投資家も株式市場に参入しやすくなり、市場の活性化が期待されています。

以前から指摘されていたわかりにくさ

アメリカをはじめとする海外の取引所ではすでに売買単位は統一されており、日本だけが2種類の売買単位が存在していました。

そのため、日本のシステムはわかりにくいと前々から指摘されており、東証も2007年から上場する企業に売買単位を統一するように呼び掛けていました。実に10年の歳月を経て売買単位が統一されたことになります。

 

購入金額が下がることで買いやすくなった

売買単位を統一するにしても1000株に統一されてしまったら必要な購入金額が大きくなってしまうので個人投資家にとってはマイナスです。今まで1000株単位で購入金額が高すぎた銘柄も100株から買えるようになったことで購入しやすくなりました。

特に最低購入金額が120万円を超える銘柄は個人投資家に人気であるNISAの限度額を超えてしまうためNISA枠での購入が不可能でした。

また、最低購入金額が下がることで120万円の枠の中で複数の銘柄を保有しやすくなり、リスク分散もしやすくなりました。

 

基本的にいいことしかない今回の売買単位統一ですがデメリットはないのでしょうか。

相場が荒れやすくなる

これは理論上の話で実際どの程度荒れやすくなるかと言った数値化は出来ません。

最低購入金額が下がるということは少額投資がしやすくなるこいうことですので資金をあまり持たない個人投資家の参入が増えることになります。市場参加者が増えるということはそれだけ売買が活発になりますので基本的には歓迎されます。

しかしこのような理由で増えた参加者はプロではありません。言い換えると参加者の素人の割合が増えるということです。市場参加者に素人増えるとどうして相場が荒れるのでしょうか。

 

ニュースに一喜一憂する

プロや手練れの個人投資家は明確な根拠を持って株を買います。それは四季報の情報であったり決算書であったりチャートのテクニカルであったりと様々ですが明確に”これがこうだから買い”という根拠を持っているものです。したがってちょっとした不祥事や今期の決算が多少悪かったといった悪材料が出ても自分が買うに至った根拠が崩れない限りは株を保有します。逆に根拠が崩れれば塩漬けすることなくすぱっと損切るものです。

一方、経験の浅い個人投資家は明確な根拠がなく、良さそうだから、好きだから、最近よく聞くから、勧められたからといった曖昧な理由で株を購入しがちです。こういった投資家はひとつひとつのニュースに影響されやすく、株価の変動に一喜一憂します。

上がったら買う、下がったら売るという短絡的な売買をする人が市場に増えることになるので株価が安定しにくくなります。

10月11日に日経平均は一時1000円を超える大暴落を見せました。これはアメリカダウの急落の影響を受けたものとされていますがこうしたファンダメンタル的な要因だけではなく、株高につられ参入した個人投資家のパニックも下げに拍車をかけています。

意外に思われるかもしれませんが株価が下げ続けて市場参加者が少なくなるとこういった素人の参入が減るので株価が読みやすく、逆に株価が上げ続け、市場参加者が増えるとどこまで上がるのか、どこで利益確定売りが出るか、またどこが押し目なのかと言ったことが非常に読みにくくなるのです。

1株から購入できるようにはできないのか

個人投資家の市場参入を促すなら1株から購入できるようにしてしまえばと思うのです。

というのも7974 任天堂などは1株当たり4万円前後で100株の最低購入金額は400万前後になります。NISAが活用できないのはもちろん、高すぎて買えないという個人投資家も多いでしょう。

1株から購入できるようにすれば4万円で購入できるようになり個人投資家も購入しやすくなるはずです。

電話で売買注文を出していた時代ならまだしも今はコンピュータ同士で瞬時に売買できます。1株単位で購入できるようにするのはそんなに難しいことなのでしょうか。

 

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