2018年の経済を振り返ろう
皆さま。2018年はどのように過ごされたでしょうか。年々記憶力が低下しているので思い出すのが大変になってきましたが今年もいろいろありました。
”今年の風邪はたちが悪い”という言葉が毎年使われるように投資の世界では”今年の相場は大変だった”と毎年言われるような状況です。
今年一年の相場を漢字一文字で表すと?のアンケートでぶっちぎりの首位だったのは「乱」です。
情報社会となりどこかで起きた事件やニュースは一瞬で世界中に広がり投資家もワンクリックで注文が出来ます。
もはや市場は乱高下するものと認識したほうがよいでしょう。その「乱」のなかでいかに利益を出していくか。それが現代の投資家に求められるものだと思います。
さて、それではいろいろあった2018年の出来事を振り返っていきたいと思います。
日経平均が26年ぶりの高値
思えば今年の株式市場は絶好調でスタートしました。トランプ大統領の「アメリカ第一主義」の政策により世界中のマネーがドルに集まり経済リスクが起こっても円に買いが集中しなくなったことで円安が進行しました。
その結果、海外投資家を中心に日本株に買いが集まり、1月23日に実に26年ぶりに2万4000円台を回復しました。
コインチェック、暗号通貨流出問題
*2
2017年は仮想通貨がブームになりました。そのため2018年の1月は仮想通貨で1億円以上の資産を築いた人、通称「億り人」が話題になりましたね。
その矢先のニュースで衝撃を与えました。
実際には仮想通貨は世界規模で低迷していくわけですが日本ではこれが仮想通貨低迷の皮切りになった印象です。
トルコリラ、史上最安値
5月23日、トルコリラ/円は市場最安値の22.30円を付けました。アメリカの経済制裁とトルコ経済の不調が重なりみるみる値を下げたわけですが政策金利の上昇などから一部の投資家にはスワップポイントを狙った買いも入りました。
しかし実際にはそこからさらに15.50円まで下落することになり大損する投資家が沢山出ました。
金利が高いのには理由がある。レバレッジを利かせたトレードにおいて長期投資は危険であるといういい例になりました。
ダウ平均株価、史上最高値
10月3日、NYダウは史上最高値の26951.81ドルの値を付けました。
1月に史上最高値を付けてから乱高下を繰り返す展開でしたが6月28日の安値を最後に一転して上昇に転換。最高値まで一本調子で上昇しました。
しかし高値を付けるとすぐさま下降トレンドに突入し21712.53ドルまで下落。1年6か月分の上昇を高値を付けてわずか3か月で打ち消す結果となりました。
フランスで増税への抗議運動が暴徒化
燃料税の増税に反対する「黄色いベスト運動」として始まったこのデモ活動ですが徐々にフランス政府に対する不満デモに発展。一部で暴動へと発展し世界的なニュースとなりました。
保護主義に走るアメリカ、理想を掲げる欧州ですが景気の減速や流れ込む難民に不満を募らせた国民たちが本音をぶちまけたと言った感じでしょうか。
当時はマクロン大統領も暴動を非難していましたが国民の怒りは収まるところを知らず最終的には政府が折れ、増税を断念という形で決着しました。
まとめ
個人的には移民の排除や関税強化など保護主義に走ったアメリカの経済が好調でそれを非難する欧州経済が混乱の限りを極めたのが印象的でした。
大国が世界のことを一切考えず、好き勝手することは確かに問題なのですが理想だけでは国民をまとめられないのもまた事実。
アメリカはもう少し理想を。欧州はもう少し現実を見つめなければならないのでしょう。
貿易戦争の長期化、年末の景気後退懸念で早くも保護主義は限界ではという声も聞こえ始めました。
そんな中12月30日には11か国でTPPが発行されました。アメリカとは反対に、関税を撤廃することで経済成長を目指します。幸か不幸かアメリカが脱退したことでTPPを主導したのは日本です。
タイやインドネシア、イギリスなども加盟するかを検討しており、TPP経済圏がこのまま拡大していけば日本は世界経済での存在感を増し、逆に不参加のアメリカや中国は孤立していくことになります。
アメリカの保護主義がうまくいくことは世界経済にとってはマイナスですが仮にTPPがものすごくうまくいってアメリカが世界経済で孤立したとします。そうなった時アメリカはおとなしく衰退してくれるのでしょうか。
未来を見通すことは私にはできませんが2019年も「乱」の年になることは間違いないでしょう。